ごまだれ

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記事版「ウマ娘から競馬に入った向けの想馬主ゲームPOG初心者解説生」 #POG初心者解説生

先日の配信、ご覧になってくださった方ありがとうございました。
想像以上に多くの方に見ていただき嬉しいです。一緒に出てくださった方のおかげもあり、配信もしっかり中身のある内容になっていて、ペーパーオーナーゲーム(POG)って楽しそうだなと思っていただけたのではないかと思っております。アーカイブも約2時間程度になっておりますがぜひ参考にしてください。
この記事では事前に用意した資料に加え、放送内で出た内容を補足する形でまとめて紹介いたします。

POGってそもそも何?

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ペーパーオーナーゲーム、POGは競走馬を指名し期間内の獲得賞金で順位を決める、4月末~5月のこの時期にしか始められない仮想馬主ゲームです。
今回知り合い同士で遊ぶ形式のPOGのやり方を紹介しますが、競馬専門紙などの企業主催のものもあり、上位者には豪華賞品が当たるものもあり、JRAの関連会社のJRA-VANが主催するPOGでは、賞金総額が300万円、優勝賞金が50万円のものもあります。ですので企業のPOGに参加しながら、お友達同士でやるのがオススメです。後ほどなぜかを紹介します。

参考に私たちがやっているPOGを紹介

とはいっても、何から初めて良いかわからないと思いますので、
参考として私がやっている「ニコマス競馬部POG」と一緒に出てくれて、私のPOGの参考にもなったあいうえおさん達がやっている「酔いどれ生POG」を紹介しながら、どういうレギュレーションで行っているかを紹介します。

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ニコマスPOGの2020-2021シーズンのレギュレーションは参加者5名が各15頭、合計75頭を指名し、2021年のダービーまでの獲得賞金で順位を決定します。基本的にJRA、地方交流重賞の成績が対象内です。
開催期間は2歳戦が始まる6月の最初の週からダービー当日までです。基本的に2歳戦はこの期間に開催されます。ですので、それまでに指名会を行い、指名馬を確定させる必要があります。今からしか始められない理由はここにあります。
一般指名枠として牡馬牝馬を1位から5位まで合計10頭指名する一般枠と、決められた対象に当てはまる馬を指名する特別枠を設けています。
指名方法はプロ野球のドラフト会議をベースにしています。牡馬牝馬の1位と特別枠指名については入札抽選を行い、重複した場合はくじ引きで指名馬を決めます。

指名について大事な事があります。馬を指名する時は母名の名前で指名する事です。なぜかというと、決める馬名は指名回の時点ではデビューするまでにはまだ名前が決まっていない馬もいたり、名前が決まっていてもデビュー前だと1回だけ変更が可能だからです。20-21シーズンでも指名した中で馬名が変わった馬がいました。

特定枠を設ける理由

特別枠を設けた理由はいくつかあります。私達のPOGは特別枠も入札指名をおこなったので、エンタメ的な要素もいれた事もありますが、指名する馬のバリエーションに幅をもたせる事が大きいです。

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種牡馬
21年度はキタサンブラックイスラボニータビッグアーサー(父サクラバクシンオー)などの子どもが該当します。種牡馬としての評価がわからない種牡馬を選ぶという面白さがあります。
種牡馬の父系馬鹿さんのサイト内にピックアップされている馬を選べば問題ないと思います。

父系馬鹿:2021年度新種牡馬リスト - livedoor Blog(ブログ) blog.livedoor.jp

父輸入種牡馬
近年ではディープインパクトなど、日本で走った馬の子どもが種牡馬ランキング上位になっているので、それ以外の種牡馬の産駒を選ぶ面白さがあります。20-21シーズンの活躍馬はステラヴェローチェなどがいます。

外国産馬
(外)マル外と表記される馬になります。90年代はグラスワンダーエルコンドルパサーなど、クラシックや天皇賞の出走制限をしないといけないほど日本の馬産業を脅かすほど強い馬が来る時期がありましたが、現在は出走制限は撤廃され、日本の馬のレベルが上がったことにより存在感は減ったので、設けてました。20-21シーズンはエリザベスタワーなどが該当します。

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非社台グループ生産馬枠
この枠を設けた理由は画像内の2020年の生産者獲得賞金ランキングを見ていただければわかるように、社台グループの生産馬、特にノーザンファームが圧倒的に活躍しているため、それ以外の生産馬を指名しましょうという枠になります。20-21シーズンではタイトルホルダーなどが該当します。

酔いどれPOGの特別枠

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次にニコマスPOGでは採用していなくて、酔いどれPOGで採用している特別枠を紹介します。

初仔枠
お母さんが初めて産んだ馬を指名する枠です。こちらも新種牡馬と同じく兄や姉が活躍したという実績がない、お母さんとしての評価が決まっていない馬の子どもを指名するという上での面白さがあります。20-21シーズンではオーソクレースなどが該当します。

応援枠、シゲル役職枠
応援枠はいわゆる、マイナー血統や変わった馬名の馬など、通常の指名では入らないような馬を指名していく枠です。OKかどうかの判定の基準は参加者の主観で決めるため、競馬歴が短い人だと難しいかもしれません。
シゲル役職枠はシゲルテンチョウ、シゲルマドギワゾク…など、シゲルの冠名に役職が付けられている馬を指名する枠です。

来年のシゲル2歳馬は役職シリーズ復活 21年の馬名シリーズを大募集  12月15日のターコイズS・G3(中山)で人気を集めるシゲルピンクダイヤ。鋭い末脚を武器に今年、桜花賞で2着、秋華賞は3 hochi.news

活躍する可能性が低い馬を指名する事になりやすいので、4頭指名してその中の最多ポイント獲得馬の1頭が集計される形になっています。
九州産馬ヨカヨカ函館2歳Sを勝ったリンゴアメ、ダートでリステッド勝ちのラペルーズなどがいます。

今年はウマ娘枠がおすすめ!

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今年はウマ娘経由で競馬を見ている人が多いので、こういう枠があると楽しいと思ったので提案したいのがウマ娘です。
ですが競馬を見ている方で思うと思いますが、血統表にウマ娘のモデル馬が1頭だけ入っている馬を探すと結構沢山いることがわかると思います。これはPOGの一般枠の指名でも選ばれるくらいランキング上位の種牡馬に1頭は含まれてしまうからです。エピファネイアオルフェーヴルゴールドシップモーリスドゥラメンテなどがいます。
ですので、以下のようにするとエモい血統の馬も探せるのでオススメかなと思います。

①父親、母親の血統に各1頭以上ウマ娘のモデル馬がいる
ウマ娘モデル馬の牝系の馬
①、②のいずれか、または両方の項目を満たす馬

是非参考にしてみてください。
20-21シーズンでの主な活躍馬だけでもこれだけいます。血統的にも同い年でしのぎを削った馬の血を受け継いで走っているピクシーナイトオーソクレースなどは「ただ該当しているから指名した」というのを超えたストーリーを持っている馬だと思います。活躍した場合もエモいですよね。

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放送中に「それ以外で面白そうな枠はどういうのがありますか?」という質問に対しては「面白い馬名枠」という提案がありました。
是非参考にしてください。

POGのここが楽しい!

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POGデビュー前の競走馬を指名して1年間追いかけるという点が大きな特徴です。活躍することが約束されていない時から追い続ける事で思い入れも深まります。はやてさんは18-19シーズンで指名したロジャーバローズ日本ダービー単勝93倍、12番人気という低評価で優勝しました。ダービーを最後に引退してしまったため、超一流の名馬とまではいかない評価になっていますが「一生忘れない思い出の馬になった」と語っています。

ウマ娘ダビスタなどのゲームだと1勝を上げる事は簡単ですが、現実の競馬では1勝を上げることは非常に大変です。そもそもデビューすら出来ない馬や、亡くなってしまう馬もいます。
馬券で痛い思いをすることもありますが、美味しい思いをできる事もあります。あいうえおさんからはかつて指名していた馬の名前を見つけ、馬券を買い高配当をゲットできたなどの話もありました。
POG期間が終わっても競走馬は走ります。期間後に活躍した例として、酔いどれPOGで指名されたブラヴァスを紹介していただきました。期間後に本格化し、新潟記念を勝ち、昨年のサマー2000シリーズのチャンピオンになっています。

競馬歴関係なく楽しめる

すべての2歳馬はこれからデビューします。つまり、彼/彼女たちのストーリーはこれから作り上げられていくという事です。なので競馬初心者の方が追いかけていくには2歳戦はぴったりのカテゴリですし、POGをすることでより楽しむ事ができます。競馬歴が長いからPOGが上手いというわけでもないことはニコマスPOGの現在の順位でもわかると思います。

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ウマ娘のアニメ1期から競馬を始めたアルビレオさんが首位を快走しています。2位以下の4名は全員競馬歴が20年以上です。初心者でもPOGは全く問題なく楽しむことが出来ます。

競馬の話題が増える

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POGをやることで、競馬の話題のトピックが増えます。
皆さんの競馬の楽しみ方、知り合いの人と話す競馬の内容の多くは、週末の予想や今だったら今年のダービーの予想など、比較的近い未来の内容だと思います。
POGの場合は数ヶ月~1年先の活躍を楽しみにしながら指名をします。毎週指名馬の事で一喜一憂したり、次はどのレースを走るのかという話題をすることが増えます。

競馬の勉強にもなる

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せっかくPOGをやるならいい成績を残したい!というのが本音だと思います。そのため、指名する段階で血統や生産者、厩舎など、競馬関係する様々な内容を学べるとおもいますし、実際にシーズンを過ごして新たに学ぶことも多いです。
私も今回のPOGでわかったのはどの厩舎に所属するのかは結構大きな要素だと思いました。多くの活躍馬を出している国枝栄調教師や矢作芳人調教師は凄いと改めて思っています。一口馬主で出資者を募集されるクラブ馬はデビュー前からどの厩舎でデビューするかが決まっていたり、個人馬主と比較して育成段階のコメントが多く出されているのでPOGで指名しやすいという安心感がありました。個人馬主の馬だと情報が全く出てこない馬などもいて、気を揉む事もありました。

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関係者にまつわるドラマもあります。ウマ娘視点から見ても画像のようなエピソード等がたくさん出てきます。POGの期間で開催されるクラシックレースがG1の中でどれだけ重要なのか、その中でも日本ダービーというレースがいかに特別なものかという事がPOGでわかると思います。

実際のPOGはどうやって運営するの?

ここからは実際のPOGの運営方法などをQ&A形式で紹介いたします。

Q.指名馬を探す方法が知りたい

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POG向けのガイドブックがあります。各種2000円前後になり、この中のどれか1冊を買えば問題ないと思います。一番売れているのは赤本と呼ばれる「POGの達人」になります。現在のPOGのシステムを普及させた競馬ライターの須田鷹雄さんが発行していることもありガイドブックの定番になっています。馬のカラー写真や取材記事、ライターオススメの10頭などと一緒に、有力2歳馬リストがあります。
ガイドブックのメリットは誌面で名前がある馬についてはほぼ確実にJRAで走るという安心感があります。
ガイドブックが変われば解説している人も違う人なので掲載されている馬に大きな違いはないと思いますが、オススメしている馬が変わったりしています。組まれている特集などで選ぶのも良いかもしれません。

また、コンビニなどでスポーツ新聞社が5月にPOG特集号という形でタブロイド形式のPOG新聞を発行しています。
あいうえおさんが昨年購入していたタブロイドPOG特集は厩舎に入厩した評判馬をチェックする形の内容になってるそうです。5月に発行されるため、どちらかというとガイドブックの内容を補足する形での使い方がメインになるかと思います。

以下にガイドブックのamazonリンクを貼っておきます。

POGの達人 完全攻略ガイド 2021~2022年版 (光文社ブックス) amzn.to 1,700円 (2021年04月26日 20:33時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する
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Q.楽しむための費用はどれくらいですか?

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POGで指名された馬はメイクデビュー(新馬戦)や未勝利戦などで走ります。新馬戦は12時頃の4Rや5Rに組まれることが多く、開催が進むにつれて未勝利戦が多く組まれる事が増え、1Rから2歳未勝利戦が組まれるようになります。ですので見るためには15時頃からやっている民放の競馬中継以外の方法で見る必要があります。無料で見る方法からネットで見る方法もあります。

BSが見れる人はグリーンチャンネル(BS234)でJRAの競馬中継を無料で見ることが出来ます。グリーンチャンネルwebのスマホ版を契約するのも、画質が低く30秒くらいの遅延がありますが、レースを見れればいいという方にはオススメの方法です。有料なので競馬中継以外の番組も見ることが出来ます。

Q.高評価されている馬は本当に活躍できるんですか?

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netkeibaが開催しているPOGの20-21シーズン指名者数のTOP5では1位指名されたアークライトが未だに勝てていません。上位指名の期待に応えるくらい活躍したといえる馬はサトノレイナスくらいでしょう。一方でダノンザキッド、ソダシは100位以下でした。それほど、期待通りに走るかどうかはやってみないとわからないです。だからこそ面白いという事でもあります。

Q.何名で行い、何頭指名するのが良いですか?

こちらは長く経験されている酔いどれPOGのあいうえおさんのアドバイスがとても役に立つと思います。
初心者の方は「最初は少頭数でやろうかな」と思う方もいると思いますが、たくさん取ったほうがいいです。第1回は10頭で開催しましたが、回数を重ねるごとに指名馬を増やしていった結果、どんどん面白くなっていきました。単純に指名数が増えると毎週の競馬で出走する馬が増えます。司会、幹事の人が負担にならない程度に多いほど良いと思います。
デビューできない馬や死んでしまう馬も出てきてしまうのが競馬ではよくある事です、と言っていました。

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ニコマスPOGでは計75頭を指名して開催していますが、この頭数だと秋以降は毎週1頭以上は出走する馬がいました。何人で開催するかにもよりますが、あいうえおさんの過去の経験を踏まえるとやっぱり1人あたり15頭くらい指名したレギュレーションがいいのかな、と思います。

指名会のためにピックアップした馬の数は、チェックに関しては100頭以上の馬を見ました。最終的な候補は最大で75頭が指名されるため、私は75頭近く指名候補ピックアップしました。

指名する際に気をつけることはありますか?

年齢、性別、特別枠に該当するか等がありますが。
自分で馬を探す時に特に注意したいのは以下の内容です。

1.JRAで走るか
2.デビューしそうか
3.セン馬かどうか

1については、指名候補が地方で走る場合や外国産馬で日本に来ないで結局海外で走る場合はその時点でポイントが0点になってしまうので注意が必要です
2については、指名会をする段階で既に登録抹消(=引退)されていた場合がたまにあるため、これも注意が必要です。
3については、日本では指名会をする時点でほとんど居ないですが、2歳、3歳のG1は主に繁殖として優秀な馬を決めるために開催されるため、セン馬(去勢された馬)はPOG期間内で出走できるG1がありません。結果的に去勢されてしまうことはあります。

netkeiba.comを活用しよう!

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ちなみに指名馬候補を探す場合にとても便利なのがnetkeibaです。無料で使える機能の中でPOG指名馬のマイリストというものがあり最大200頭まで登録できます。一番のメリットは年代ごとにタブが別れているので、今年の対象外である1歳馬や3歳馬が間違えて登録される事がないという事です。netkeibaはPOGに関係なく競馬を楽しむ上で必須のサイトになっているので会員登録するのはオススメです。

Q.指名会はどのように行いますか?

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大事なことは2歳戦が始まる前に指名する馬を決める事です。2021年の2歳戦は6月5日に始まります。
ニコマスPOGは昨年のダービーの日に指名会を行い、酔いどれPOGはダービーの2日後に指名会を行いました。この時期だと6月5日、6日の新馬戦の登録馬がわかり、デビューする目処が立っている馬を指名できるメリットがあります。
この記事をご覧になっている人たちはSNSで知り合った人も多いと思いますが、ご時世的にも直接会って行うことはせずに、オンラインで指名会を行いましょう!
どのような段取りでドラフトを行うかについては、事前に決めておくのが良いと思います。主催が司会をしながら自分の指名馬を考えるのは結構負担が大きいので、誰かに司会をお願いできるならしたほうが良いです。
長時間になりますが昨年の指名会のアーカイブが残っておりますので、是非参考にしてみてください。

Q.ポイント集計はどうすればいいですか?

こちらはnetkeibaのみんなのPOGPOGスタリオンなどの無料で自動集計ができるサイトがあります。
どちらでも大丈夫だと思いますが、以下のような特徴があります。

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POGスタリオンは選んだ馬同士での比較とかができる強みがあります。
netkeibaは大手サイトのデータベースをそのまま使えたり、運営面での安心感がありますが、指名者同士での比較や、その人が指名している馬の中でのポイントの比較などができず、機能の面ではPOGスタリオンのほうが長所が多いと思います。

終わりに

以上、長くなりましたがこれでも書ききれないことが沢山あったので、もしよろしければ配信の方もチェックしていただければと思います。

私がPOGをやろうとしたきっかけはあいうえおさん達がPOGをやっているのを見て純粋に楽しそうだと思ったからです。実際に第1回が11ヶ月経った段階で、POGをやってよかったと思っていますし、20年以上競馬を見てきた中でも新しい楽しみ方が発見できてとても楽しいです。

配信の告知記事でも書きましたが、ウマ娘から始まった競馬の流行が一過性のもので終わってほしくないなと強く思っています。
ウマ娘きっかけで見始めた人が競馬を長く続けて欲しいと思う一心で、配信もしましたし、この記事もかいています。
この記事をきっかけに、POGを始める方が1人でも増えて、競馬が一生楽しめる趣味になったという人が1人でも増えれば嬉しいです。

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